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 5月17日、流祖四百回忌「織部忌茶会」が開催されました。
全生庵(台東区谷中)境内の木々は五月晴れの陽に映えキラキラと輝く緑が美しく流祖さまのご法要茶会に相応しい一日でございます。

 織部流の流祖、古田織部は武将として信長、秀吉に仕え、茶人としては千利休に学び「利休七哲」の一人でもあります。

 造園、建築、諸道具から料理に至るまで「織部好み」と呼ばれるものが伝えられています。
 「式正織部流」は16世秋元瑞阿弥が体系化し、当代お家元は秋元瑞燕さまです。とても珍しく一般に殆ど知られていないことから千葉県指定無形文化財に指定されております。

 式正織部流の特色は、利休の「侘び」「数寄」を強調した「私の茶」である「侘び茶」に対して、正式な儀礼の「公の茶」であるといえます。草庵の茶室ではなく書院式茶室で点てることを基本としています。

 

 

 お濃茶席です。
書院造の広間に30人ほどが席入りをしました。
矢がずらりと立てられたお棚が目をひきます。(織部公好弓箭台子)

 さて、お菓子が高坏で運ばれてきます。
織部饅頭!です。
お茶碗、お茶杓などお盆に載せて運び出されます。
お点前もすべてお盆に載せられたまま行います。(下にも置かぬおもてなしなのだそうです。)


そのお点前はとても丁寧で優雅!
そしてお濃茶を練らないのです!!
お濃茶は各服点てと言って茶碗台の上に古袱紗を乗せその上にお茶碗が置かれており、一人一人に出されます。

 いよいよお茶を頂きます・・・。
お薄より濃くふんわりと点てられています。
とてもふくよかなお味で香りもよく本当に美味しい!
400年前の大名屋敷の書院でもきっとこのようにしてお茶を振舞われていたのかと思いますと感無量のおもいでございました。
 

 

 お薄席です。
 お点前はお濃茶同様とても丁寧でゆったりした雰囲気ですが、挨拶は握りこぶしで両脇につきます。
 武士の作法ですね。

 お薄も茶碗を畳に直置きせず、薄茶用茶碗台に載せて客人の前に置かれます。
 まあ・・・初めてです!

 お道具は織部家伝来のものなどが使われておりましたので、お会記の写真を撮らせていただきました。

 

「夢」という文字が墨で書かれている帯を締めていらっしゃる社中の方をお見かけいたしました。

 墨色も鮮やかにきりっとしていてとても素敵でした。16世家元秋元瑞阿弥さまが書かれたものだそうです。


 

 この度「織部忌茶会」に参加させていただき本当に初めてのことが多く、とても楽しくまたさまざまなことに思いを致す感慨深いお茶会になりました。

 400年前の大名や上級武士は「茶の湯」を接待や外交、儀式などで重要な役割を果たすものとして位置づけていたそうです。
邸内の書院で如何に格式高く客人をもてなし満足していただけるか、その所作や作法に心を配り、造園、道具、料理にまで自身の美意識を昇華させた古田織部の思いが形になっているのが「式正織部流」なのだと思いました。

 お忙しい中、写真撮影を快く許可してくださいました家元さま、松本さま、本当にありがとうございました。
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